レポート課題3: 視覚化が不調な情報の考察
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iPhoneにおける漫画や本などの表示
(図の左はibook、右はU-NEXTにおけるライブラリの表示である)
いくつか問題は見受けられるが、その原因にはスマートフォンという画面サイズの中で本棚としての役割をこなす必要があるということだろう。
例えば、表紙やタイトルが見える程度には大きなサイズで表示しなければならない(ibookの方は表紙もあまりうまく見えず、タイトル表示の文字に至ってはどちらのアプリケーションも見にくい)。一方で、表示を大きくするということはそれだけスペースをとってしまうということでもあり、ibookに31シリーズ分のブックを保存している自分ですらタイトルを確認しながら全ての本を確認するのには5~10秒ほどかかる。そのため、基本的に読みたい本を探すときに発見にラグがあることを覚悟しなければならない。
また、表示順にも疑問が残る。基本的には購入時が最近であるものほど上に表示されていくが、リアルの本棚を想像すればわかりやすいように、買った本をただ上に積んでいくような保存方法は有効ではなく、基本的にはお気に入りの本などを手に取りやすい場所に保存し、あまり気に入らなければすぐに手に取れない場所、本棚の奥などに移動していくことになるだろう。図のような表示方法ではそう言った並べ替えすら難しい。基本的にはひとつのシリーズを選択し、スクロールして任意の場所に置くよう指示しなければならないのだが、先も述べたように保存しているシリーズが増えるだけ本棚は縦に長くなっていくのでそのような並べ替えすら面倒になるのだ。だからと言ってそのことを怠ればどのシリーズがどこにあるかわからず、面倒なスクロールを繰り返す必要が生まれる。
この問題は表示のされ方がリアルの本棚と異なることに起因するように思える。先に述べたような買ったものをただ積み上げていくだけの表示方法では、どこに本が保存してあるか覚えることは難しいだろう。一方で、自分で取り出し、任意の場所に入れ込んでいくリアルの本棚であれば、どれだけ多くの本を保存してもある程度場所のあたりが付くようになるだろう。そのため、解決策の一つとして提案したいのは実際の本棚のように自分の頭で考えて並べ替えができるようなヴァーチャル本棚の実装である。リアルの本棚と同じように自分の行動と場所がリンクするような並べ替えが可能であれば保存場所も覚えやすいであろう。そのために必要なのは1シリーズずつ任意の場所に移動していく方法ではなく、先に存在するスペースに、何を置くかを決められるような方法ではないかと考える。
もうひとつの方法としては様々な基準でタグをつけることができるシステムの実装だ(例えばシリーズごとにどれほどお気に入りかを示す数字をつけられたり、バトル/恋愛/コメディなどのタグをつけられたり)。この値によって表示する順番を入れ替えたり、絞り込みをすることによって求めている種類以外の本の表示スペースを削減したりといったことが簡単にできれば、膨大な数の本から任意の本を探す作業も多少楽になると考える。一方で、タグや数値付けをするのが面倒であれば、使いにくさの問題点が変わるだけになってしまうので、どれほどシンプルなシステムにできるかということが分かれ目になると考える。